野生の人文学

思考の壁をぶち破り創造的破壊へ。人文ベンチャー起業家、チャーリー北川のブログ

空前の東洋哲学ブーム!当の本人たちは気付かぬまま!?

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こんにちは!
野生の人文学家、チャーリー北川です。

 

実は今、世界は空前の東洋哲学ブームの真っただ中あるのをご存知でしょうか?

例えば、マインドフルネス。

アメリカを始め世界各国でブームになってますが、もともとの由来は禅です。


めちゃめちゃ波が来ているのに、当の東洋サイドが気付いてない!というのが、最近私がもどかしさを感じるポイント。
西洋の科学技術・テクノロジーの行き詰まりを世界中の人たちが感じ始め、東洋がこれを補って次のパラダイムを示す鍵になることを期待されている。
自分たちの持っているものがめちゃめちゃ売れるチャンス来たのに、当本人は知らぬまま…的な。

 

まあ、西洋に追い付け追い越せの時代の波の中で、古来の智慧を失ってしまったというのが正直なところだと思いますけどね。
だからこそ、今一度東洋思想の本質を掴むことには大きな意義があると思います。

 

東洋と西洋はお互いインスパイアしあってきた?


もともと東洋と西洋は、長い歴史の中で時に対立しながら、時に刺激し合いながら今日まできました。
西洋の十八番と思われている数学や物理学、IT技術も、本質的なコンセプトは東洋哲学からインスパイアされたものだということはご存知でしょうか?


0という概念の出発はインドですし、プログラミングでお馴染みの2進法もライプニッツが中国の陰陽思想から着想を得たもの、量子力学を研究したニールス・ボーアが晩年東洋思想に傾倒していたのも有名な話です。

 

東洋と西洋は明確に対立するわけではありません。
また、どこからが東洋でどこからが西洋であるという明確な境界線があるわけでもありません。


ただし、お互いの対立的な要素を通すことで色々なことが見えてくると思います。
また、西洋人が東洋のフレームワークを使っちゃいけない理由もないですし、東洋人が西洋のフレームワークを使っちゃいけない理由もありません。お互い対照的な性能・機能を持っているので、上手に双方使いこなしましょ~という話です。

 

 

東洋と西洋、それぞれの思想とは?

とりあえず共有するための導入として、ここではかなりざっくり、簡潔に書きますね。


西洋は人間を主体として出発し、そこから世界を分解して組み上げます。東洋は主客の別なく最初から全部を自然の相対として捉えるとこがあって、そこが対照的なところです。

 

東洋はトートロジーと矛盾の中で本質を言明していて、西洋から見ると、一見間違っているまたは何も言っていないように見えます。
逆に、東洋から見ると西洋ははじめから重要な大前提が欠落した、とても限定的なところでものごとを語っているように映ります。
本当は、両者は対立するものではなく、補完し合う仲なのですけどね~。

 

昔読んだ本で、東洋は幹を掴んでいるが枝葉に興味がなく、西洋は枝葉を掴んでいるが幹に行きつけない、的な表現があって、妙に納得したのを覚えています。

 


知の不完全性、無知の知、そして…??

西洋哲学はアリストテレス以来、カテゴリー論、因果論、論理学といった中でものごとを精密に分けて、知識として保存して、それらを統合しようという一つの大きな流れがあります。
逆に、東洋はものごとをつい分けて考えようとする人間の思考を、いったん分けない場所まで戻そうとするものです。ものごとを分けない場所を「空」とか「道」とか「阿頼耶識」とかいう言葉で表したりします。

 

「頭でっかち」という言葉がありますが、人間は一度知ってしまったことがあると、知ったことをベースに他のものを解釈しようとしてしまいます。
世界を一旦解釈してしまうと、その解釈のパターンを保存し、その解釈の中でものごとを考え、やがて自分の解釈の枠の外には世界がないようにさえ思いこんでしまう。

 

世界を捉える網をどんどんアップグレードしていくのが知性の自由であるのに、逆に網に捉われ、閉じ込められて狭い見方に固定されてしまうのです。
だからこそソクラテスは無知の知を唱えたわけですが、そこから抜け出すのは非常に難しく、すべてを0ベースに戻すには強力なリセット機能が必要になる。

 

ただし、何でもかんでも東洋思想をぶち込めば良いというものでもありません。
そもそも東洋思想にも大きな欠点がありますからね。
禅でいう「不立文字」ですが、なんとなく答えは言ってるんだけどカチッと記述することができない曖昧さ。理解、解釈が大変難しい。

 

その昔、中世暗黒時代にギリシャ哲学を再復興したルネサンスのように、東洋哲学も現代に応用活用できる新しい形にデザインし直す必要があると思います。

多分、色々な人が東洋思想のリ・デザインにチャレンジ中だとは思うのですが、私は1つ明確に体系化された論理体系、教育体系を知っているので、ご紹介のリンクを貼っておきます。

special.nr-grp.net

 


西洋人に東洋思想の何たるかを教授されてしまう前に、自分たちで自分たちの思想哲学を、自分の言葉で語れる人間でありたいな、と思います。